周期性四肢運動障害 寝ながら山に登る奇怪な動作 66歳男性

5年前から不眠症になり、いろんな睡眠薬を飲んでみましたが、ほとんど効果はありませんでした。睡眠中に足が冷たくて、余計に眠れなくなり、生活に支障をきたすようになったため、3年前に近くの 総合病院を受診しました。…

ここで、トリプタノールとガバペンを処方され飲んでみたところ、多少効果があったので、この2年間はかかりつけの内科で継続処方してもらっていました。かかりつけ医では、糖尿病、高血圧、高脂血症を患い、9種類の薬をもらい、総合病院から2剤追加処方を受けたので、合計11種類の薬を内服していました。薬を飲んでも足が冷たくて、眠れないことがあり、困っていました。

 

昨年、槍ヶ岳に登った時に、同室の人から、「あんたは、寝ながら山に登っているのか」と言われ、詳しく聞いてみると、睡眠中にあたかも山に登るように、足をバタバタと動かしていたそうです。そういえば、自分でも足が小さくピクつく感じがありました。足の冷えは異常に強く、真夏でも登山用の一番 厚い靴下をずっと履いていました。いよいよ眠れないのでテレビをつける、テレビの音を聞いていると比較的寝やすいように思えました。あまりにも足が冷たい時は、起き上がって歩くと、足が温まるような感じがしました。

 

こんな調子で毎晩毎晩不眠に苦しんでいたところ、ビルの側面に財団研究所、睡眠 サポートセンターの案内板を目にしました。睡眠を研究するところであれば、さぞかし睡眠に詳しいのではと思い、訪問しました。

 

3階でエレベーターを降りると睡眠研究所の案内が目に入りました。1階下の診療所を受診したところ、詳しく話を聞いてもらうことができました。検査が必要ですと言われ、たくさんの装置を頭、指、足などへ付けられ、一晩泊まる検査をしました。睡眠ポリグラフという検査を受けたところ、先生から 最重症の周期性四肢運動障害と言われました。同時に、ムズムズ脚症候群を合併していますと言われ、どちらも初めて聞いた妙な名前の病名だと思いました。睡眠中の自分の寝姿をビデオで見せてもらい、 本当に両足を蹴るようにして山に登っている姿にびっくりしました。

 

先生から「きれいに治りますよ」と言われ、半信半疑でしたが、トリプタノール錠10㎎、メチコバール3錠、ガバペン錠200㎎2錠を中止し、就寝前にリボトリール錠0.5㎎1錠、ビシフロール錠0.5㎎1錠を内服したところ、その日からぐっすり熟睡できるようになりました。睡眠中の足のばたつきも止まり、登山用靴下から、普通の靴下に変わりました。

 

 

昼間の眠気もなくなり、人生が変わりました。