無呼吸はマウスピースで治る

睡眠時無呼吸症候群の治療法として、マウスピースについて教えてください。

マウスピースは、歯科的療法に用いる装具のことです。スリープスプリント、OA(口腔内装置)などと呼ばれています。…

具体的にはどのような方法ですか。

下顎を数ミリ前方へ引き出したところで固定し、舌の根の部分が気道へ沈み込むことを防ぎます。舌を前方に保持する形のものもあります。

イビキをかいている人は口を開けていることも多く、マウスピースを装着することにより、鼻呼吸ができるようになるため、イビキの軽減につながります。

 

マウスピースはどのような方が適応になるのですか。

重症のイビキ、軽症から中等症の睡眠時無呼吸の方、減量や睡眠時の体位指導によって改善が難しい方、重症の睡眠時無呼吸で、シーパップ療法が継続できない方にお勧めしています。

 

マウスピース作成までの流れや注意点を教えていただけますか。

マウスピースは4年前から健康保険の適用となっています。まず在宅睡眠検査や精密検査で診断をうけ、歯科への紹介状が必要です。マウスピースは一人ひとりの歯型に合わせて作ります。下顎を前方へ出している距離を調節するため、何度か歯科通院が必要になります。

 

下顎を前に出した状態での固定は、少し違和感があるような気がしますが、慣れるものですか。

そうですね。完成したその日から違和感なく使える方は少ないかもしれませんが、調節し、数日つけて眠ることで慣れて使えるようになると思います。装着開始してから1週間ぐらいは顎関節の痛みや開口障害が生じることもあるので注意が必要です。悪化するようであれば、早めに受診しましょう。

 

マウスピースを使っている患者さんの感想を教えてください。

やはり、イビキをかかくなった、小さくなったという喜びの声が一番でしょう。形も小さく装着も簡単なので、手軽に使えるメリットが大きいです。

 

イビキ・無呼吸がある場合、直接歯科に行ってもいいのでしょうか。

睡眠の検査を受け、その検査結果を持って歯科受診をすることが必要です。歯科医に相談し、歯科医からこちらに紹介されることもあります。